0719

今日は色んなものがうるさくて、冷たかった。というより、そう感じてしまう日だった。家族の生活音がうるさくて、ご飯の食べ方が少し嫌で、家の中の少しだけ残ったニンニクの匂いや、誰かの汗の匂いがやけに嫌だった。ニュースで芸能人が自殺したと報道されて、悲しみよりも驚きと好奇心で溢れている世間や友達や家族や自分が嫌で悲しかった。職場の人のラインでの態度が嫌だった。

色んなことの嫌な面しか感じれない、そんな自分が1番嫌だけど、ほんとに色々いっぱいいっぱいだった。誰かに助けてもらおうとしないで、本を読んだ方がいい。絵は描いてみたけど、そんなにいいと思える絵にはならなかった。てか、いいなって思える絵なんてしばらく描けてないんだよ。

 

そんな日だったけど、こんな日も肯定するべきなんだとは、ちゃんと思える。

今からコインランドリーに洗濯物を取りに行って、そのついでに本屋に行けたら行きたいな。あなたの好きな本を教えてよ。買って読んでみるからさ。

 

おやすみ

0714

ブログさぼっちゃったな。仕事が忙しくなってきて、自分に閉じこもって何かをぐるぐると考える時間が減っていた。それは充実しているということなんだと思うけど、やっぱり自分にこもる時間も欲しかったりする、根暗だからね。

 

煮詰めて書いていたブログだけど、そういった都合との兼ね合いで、フラットに日記みたいにコンテンツ変えて運営していきたいと思い立ってまたはてなブログを立ち上げてみました。だから誤字とか、文章のリズムのぎこちなさとか、言い回しの間違いとか?多めにみてね。

 

今日は絲山秋子さんの「ニート」って本を読んだ。よく知らずに買ったら短編集だった。最初の一話だけ帰りにスタバに寄って読んできた。すげ〜〜よかった〜〜〜。。。。。ネタバレになっちゃうから詳しくは書かないけど、落とされた〜〜ってなります。なりました。

 

いい創作物に出会えて幸せ、心地よい余韻がずっと続いています。お風呂入らなきゃ、明日何しようかな、妹に誕プレを送るから郵便局行こう、あとはまた明日考えましょう。おやすみ。

 

 

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am5

夜の青と朝の青の間に一瞬だけ橙の空がある、いつもその橙色が大好きなんだけど、今日はちょうど半分になった空の色がとてもとても綺麗。

 

大学の先生が、「絵を完璧に完成させてはいけない。見る人が続きを想像できなくなる、そしたらその絵は終わってしまう。」と言っていたことを思い出した。とても好きな考え方だった。

 

 

空には果てしない続きがあるから好きなのかもしれないな、この青の先には、この橙の先には、どんな色があるだろう。深い青や淡い青、橙にピンク、繋ぐ白、何色も使いこなすこの時間の空が大好き。

 

 

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Y氏の夕方

 

 

夕方、ベランダから庭を見下ろしていた。木々の葉たちは、空から容赦無く落ちてくるオレンジ色の光をヒラヒラと跳ね返してみたり、自身をそのオレンジ色に染めたりして自由に遊んでいる。その姿はあまりにもしなやかで美しかった。次第に私は彼女たちを見ていられなくなった。

 

部屋に戻り、真っ白なキャンバスに向き合ってみた。私は新しい絵を描き始めようと企んでいた。仕事以外に筆を持つのは少し久しぶりで、とてもわくわくすると共にほんの少し不安も抱えていて、けれどその不安さえも心のどこかで楽しんでいて、だから辞められないのだ。ところで私にはずっと描きたい人がいるんだ、そうだ、この絵で描いてしまおう、あの人は何色だろう?赤と灰色がよく似合う。胸を弾ませながら絵の具のチューブを絞っていると、窓の外からゆっくりと夕日が伸びてきた。夕日は、目の前の白いキャンバスに私よりも先に色を与えた。筆も絵の具も使わずに、あなた自身で描いた、こんな美しい夕陽の色を前にして、私は何色を選んだって虚しいだけだった。どんな色を選んだって、あなたにかなうはずはなかった。

 

私は世界のほんの少ししか知る術がないのに、そのほんの少しには美しい情景や美しいものが溢れるほどに詰まっていた。私にはしばしば今日みたいな日が訪れる。いつ、どこを見ても息苦しいのだ。この手には決して生み出せない美しさに囲まれて、私は何を描けばいいのだろう。そしてこの後に及んでまで、私にしか描けない絵があるんだと、心のどこかで信じているのだからどうしようもない。

 

私は描くことが好きで、描くことが好きな自分が憎かった。

 

 

 

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溢れるくらい、痺れるくらい

 

 

今すぐ東京に行って会いたい人がいる。

 

その人を描きたくて描きたくて、描きたくて仕方がない。考えただけで右手がうずうずとしてくる。その人のリズムで揺らめく髪をとらえたい、夜を吸い込んだような色だ。空気をはじく手の形を筆でなぞりたい、その手にはじかれた空気はまるで踊っているようだから。そして何より、その歌声を描きたい。眠っている商店街のシャッターに響かせるその歌声の色を、その色を描きたくて描きたくて、たまらないんだ。

 


しかし不幸にも、私には絵よりも大切なものがあった。私は不幸にも、家族を愛していた。自分の命に明日が在ることも望んでいた。この国の最近までの当たり前の暮らしだって、人並みには好きだった。私は、疼くこの右手のためだけに3時間電車に揺られて東京に行くには足が怯む、いくつかの『愛』を抱えていた。

 

昔よく飲みに行っていた友人は「わたしは自分の絵を守りたい」と言っていた。ねえ、私は自分の絵を守れないし、絵を武器に何かを守ることも出来ないよ。ねえ、だからと言って私は、筆を捨てたりも出来やしないよ。両手いっぱいに好きなものを抱えるだけ抱えて、気がついたら身動きが取れなくなってしまったよ。抱えたもののどれか1つでも、この手からこぼれ落ちたらと思うと怖いんだ。絵描きなのに、とても欲張りでしょう。その欲に視界が濁されて、今日だってね、なにを見つめるべきか分からなくなって、無難に白を混ぜてしまったりしたんだよ。いつかこの白にどんどんと濁されて、本当の色は薄まってかき消されて、とうとう最後には塵にもならずに消えてしまうのかな。いつかそんな悲しい絵を描いてしまうのかな。

 


そんなことを何処までも考えながら、YouTubeにある描きたい人の歌声をいつまでもベッドの中で聴いていた。まだその歌声の色が私の耳に届くうちに、私は眠りにつけますように。まだ見つからない色が、せめてなくなりませんように。かき消されませんように。今日も静かに祈っている。

 

 

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不甲斐ないな

 

2000円で東京に向かうには3時間電車に揺られる必要があった。3時間止めどなく流れる景色の中で、ほんの10秒も続かないある情景に、私はいつも思いを馳せる。

 


その情景とは、戦時中に人々が身を潜めるために深く掘られた空洞の集団だ。

 

 

 

この暗闇に身を潜めてうずくまり、目をぎゅっと閉じて、むせ返る暑さが漂う空気を吸いながら、恐怖の中で明日の光を願った少女を思う。自分の事なんて微塵も願わず、必死で両腕の中の未来を守り抜こうとした母を思う。

 

 

 

私がどう消費しようと、私に訪れた今日は彼女たちが繋いだ有限だ。少女や母が願い繋いだ今日を生きている。私に訪れた今日や今は、彼女たちが必死に生きた今日の明日なのだ。

 


恐ろしくて悲しいことは、昨日のことだったなら忘れてしまえば楽だろうか。私は、忘れてしまった時、昨日がいつか、明日のことになるかもしれないと思っている。そんなこと恐ろしくて決して声に出せないけれど、確かに思っている。だから私は忘れることが1番恐ろしい。だって私は、あなたがあの暗闇で、抱えきれない恐怖の中で、その綺麗な瞳をぎゅっと閉じて、その美しい手で耳を塞ぐような未来は、そんな明日は絶対に嫌だよ。その瞳もその手もその心も、あなたのために使ってよ。

 

 

 

 


私は少女と母とあなたを胸に、小さな紙切れに書いたり書かなかったりしてその紙を真ん中で折って箱に落とす。こんな素手しか持たない私だけど、少女と母とあなたを胸に、こんな無に近い微すらせずにはいられないのだ。自分の不甲斐なさに腹を立たせて泣きながらだって、繋がなければならない。繋いでいたいと願わなくなった時、それはいよいよ途切れてしまうから。

 

 

 

 

 

 

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