0218

全てから逃げて1番どうしようもなかった時、私は横浜のビジネスホテルに4泊泊まっていた。今でもあの時泊まった部屋に戻りたくなる時がある。馴染みのないシースの匂いと擦れる音だけがあの時の私を知っている。歩いてすぐの喫茶店で飲んだロイヤルミルクティーはバチが当たりそうなほど美味しかった。

大好きなアジカンを初めて生で聴けた横浜スタジアムを散歩した。本当に偶然なことに、7年前のちょうど同じ日が公演の日だった。

全てから逃げたはずだったのに、私は全然1人じゃなかった。

ビジネスホテルに逃げ込んだあの4日間は、今では風に吹かれて私からはずいぶん遠い場所に行ってしまったようだった。けれど遠く向こうから、今でも私にささやいてくれる。「大丈夫だよ」と、遠くで声がすることがあるんだ。それは間違いなくあの日々がささやいてくれている。そんな気がするんだ。