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闇と瓦礫を掻き分けて

私は君に辿り着いたんだ

 

サンキャッチーの光が部屋中を自由に揺らめく穏やかな昼下がり、鼓膜には私が昔から愛してやまない音楽が君のコンポから届き続けていた。同じ部屋の中、眠たげにしている君は光に包まれていた。君は光やその揺めきを気にしたり、気にしなかったりして気ままに過ごしていた。

そんな幸福を掻き集めたような空間の中に私はいた。サンキャッチーの光の揺めきは優しく私を祝福している。愛してやまない音楽は今もまだ私を見守り続けている。君が眠たげなのは私が作った朝ごはんをお腹いっぱい食べてくれたからだ。そのひと時、光と音と君だけが私の全てだった。彼らがそっと、私の心の臓に優しく触れてくれた気がして目頭がぎゅっと熱くなった。

私は闇と瓦礫を掻き分けて、君に辿り着いたんだ。そしてまた、君とここに辿り着いたんだ。心からそう思った。

そう信じた。

 

 

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